香りの散歩道


お喰い初め

墨絵・朝野泰昌
「朝野家 香りの散歩道」
この番組は、山陰 湯村温泉、朝野家の提供でお送りします。

一月の食卓は、お節料理にはじまり、七草粥や鏡開きのぜんざいなど、縁起の良い料理が続きますね。
季節の節目や人生の節目に、食べることで健康と繁栄を願ってきた、
日本の食文化は、これからも受け継いでいきたいものです。

平安時代の宮中では、お正月に「歯固めの儀(はがためのぎ)」が行われていました。
歯を固めるという字を書いて「歯固め」。
硬くなった鏡餅などを口にして、歯が丈夫になりますように・・・と願う儀式です。

実際には、箸をつけるだけで食べたことにしていたそうで、この頃にはすでに、歯が健康であれば長生きができる、と考えられていたのでしょう。

その「歯固め」が転じて、赤ちゃんが初めて箸で食事をする「お喰い初め(おくいぞめ)」の風習になったといわれています。
もちろん、赤ちゃんは硬いものを食べることはできませんが、歯固め石(はがためいし)と呼ばれる小さな石に、箸の先を軽く当て、その箸を赤ちゃんの歯茎にやさしく当てる。

そんな方法で、石のように丈夫な歯が生えますように。
一生食べものに恵まれますように・・・という願いを込めるのが「お喰い初め」です。
なんでもおいしく食べて、健やかに育ってほしいという、親心が伝わってくる気がしませんか。

こうした食文化の一つ一つに日本の心が宿っていることを、子どもたちにも伝えていきたいですね。


「朝野家香りの散歩道」この番組は、山陰 湯村温泉、朝野家の提供でお送りしました。

*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。

1月分は現在放送中に付き、もう少々お待ちください。


『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、

毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞に掲載されます。



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